しあわせおだし《しっておきたい出汁の素材》

写真左から、利尻昆布、真昆布、羅臼昆布、日高昆布

利尻昆布

澄んだ色のすっきりとした上品なだしがとれます。京都で好まれており、料亭の懐石料理や精進料理にはおもに利尻昆布が使われ、吸い地に用いる極上の一番だしに最適とされています。

〔産地〕北海道、最北端の礼文島と利尻島をはじめ、留萌、稚内の野寒布岬、宗谷岬などの沿岸地域で収穫されます。なかでも礼文島の香深浜、船泊浜で採れた島物産が最高級品とされています。

真昆布(山出し昆布)

利尻昆布と並んで、日本料理のうま味に不可欠な昆布です。澄んだ色のまろやかで上品なだしがとれます。別名「山出し昆布」と呼ばれますが、その昔、昆布が山越えをして、集散地の函館へ運ばれて行ったことからその名がついたといわれます。

〔産地〕北海道の南部、津軽海峡の松前白神岬から室蘭に至る沿岸地域で収穫されます。函館から南茅部に至る沿岸の「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」の3地域の昆布は、道南最高級3銘柄として知られ、なかでも「白口元揃」は、昆布の最高級品とされています。

羅臼昆布

昆布のなかでは葉幅が広いほうで肉が薄いところが特徴です。やや褐色をおびた、濃い味のだしがとれます。煮昆布、昆布じめ、味噌汁や惣菜のだしによいでしょう。

〔産地〕北海道、羅臼町を中心とした知床半島沿岸で収穫されます。表皮が黒系のものを「黒」、赤褐色系のものを「赤」などと呼んでいます。

日高昆布(三石昆布)

関東より北の地方では、だし昆布としても使われますが、ほかの昆布に比べると味がやや淡白です。繊維質がやわらかいので、昆布巻きや煮物、佃煮など、昆布料理に向いており、おでん用の昆布としても好まれています。

〔産地〕北海道の南部、日高地方の沿岸で収穫されます。採る浜によって、特上浜、上浜、中浜、並浜と、質の違いによる格付けが決められており、さらに同じ浜の中でA、B、Cとランクを分け、それぞれ1等~6等までの級等があります。

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写真左上から、鰹荒節血合い抜き、鰹荒節血合い入り、鰹枯節血合い入り。
下段左から、鮪荒節血合い抜き、鮪枯節血合い抜き。

うま味とともに香りを大切にする日本料理では、薄く削った鰹節や鮪節を昆布と合わせて、濁りのない一番だしをひきます。削り節には、「荒節」と呼ばれるカビ付けをしない鰹節を削ったものと、「枯節」と呼ばれるカビ付けをした鰹節を削ったものがあります。関西ではすっきりしたうま味の荒節が好まれ、関東ではうま味が強い枯節が好まれるといわれています。また、鰹の荒節には厚く削ったものもありますが、濃厚なだしがとれるので関東のお蕎麦屋さんなどでよく使われています。
鰹節はもともと酸化しにくいものですが、削り節にすると酸化がはやく進み同時に香りも飛んでいきます。市販されている削り節は、品質を保つように袋詰めされていますが、開封後は冷凍庫で保存すると酸化がゆるやかになります。
鰹節の3大産地として、九州・鹿児島県の枕崎、指宿市山川、静岡県の焼津が知られています。

鰹荒節・血合い抜き、鰹枯節・血合い抜き

血合いを取り除いてある削り節を使うと、クセのないすっきりとしたうま味のだしがとれます。椀物の吸い地をはじめ、上品な薄味の料理に適しています。

鰹荒節・血合い入り、鰹枯節・血合い入り

料理に幅広く使われ一番多く市販されているものが、鰹の血合いが付いている荒節の削り節です。血合い抜きの削り節でとっただしに比べると、色も味も濃くなります。

鮪荒節・血合い抜き、鮪枯節・血合い抜き

鮪節は、脂の少ないキハダマグロを原料にして加工します。だしの色が透明でうま味もすっきりしており、香りのよい上品でやわらかな甘みのあるだしがとれます。おもに関西の高級料亭や割烹店で、血合い抜きの鮪節と利尻昆布でとるだしが使われています。

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写真上、干し椎茸(冬菇)。下左、白口煮干し。下右、青口煮干し。

煮干し

家庭で一般的に使われているもっともポピュラーな煮干が、片口鰯煮干しです。生産量も一番多く、背の部分が白い「白口煮干し」と、背の部分が青黒い「青口(黒色)煮干し」と呼ばれるものがあります。大きさは小型・中型・大型と各種あり、それぞれ味や等級もちがいます。また、九州をはじめ、山陰、新潟、山形までの日本海側では、飛び魚の「あご煮干し」「あご焼干し」でとっただしが使われ、郷土の味になっています。そのほか、食べる煮干しとしても好まれている「かえり煮干し」などがあります。
煮干しの選び方のポイントは、表皮に光沢があり、背中側がやや曲がってへの字のようになっているものが良質です。酸化が進んで油焼け(表皮が黄ばんでくる)しているものや、腹がさけたり割れたりしているものは鮮度が劣ります。

白口煮干し

主に瀬戸内海沿岸、長崎、伊勢などの内海で獲れる鰯ですが、千葉の九十九里でも秋から冬の一時期に限って生産されます。表皮が銀白色に光っているのが特徴で、なかには銀と呼ばれているものもあります。青口煮干しと比べると、身はやわらかく、独特な甘味のあるだしがとれます。

青口(黒色)煮干し

主に千葉、茨城の太平洋沿岸、山口、京都の日本海沿岸で獲れる鰯で、煮干の風味が際立つコクのあるだしがとれます。

あご煮干し、あご焼干し

あごは飛び魚のことで、煮干しに加工したものと、炭火で焼いて天日で干したものがあります。白身魚なので脂肪分が少なくアミノ酸類が多く含まれており、淡白で香ばしい風味があるだしがとれます。長崎や博多のお雑煮、五島うどんには、あごだしが欠かせないといわれます。

かえり煮干し

しらすがかえり成長した、片口鰯の稚魚を原料にした身のやわらかい煮干しです。そのままつまんで食べると淡白でほろ苦い風味があります。脂肪が少ないため、臭みも少なくあっさりとしただしがとれます。

干し椎茸

干ししいたけには、「冬菇(どんこ)」「花冬菇(はなどんこ)」「大つぶし」「香菇(こうこ)」「香信(こうしん)」と呼ばれるものがありますが、おもに冬菇と香信が一般的に多く市販されています。それぞれ笠の大きさや肉の厚さが違いますので、料理によって使い分けるとよいでしょう。干ししいたけを戻すときには冷水を使います。常温の水やお湯に浸すよりも、冷水に浸して5~6時間以上つけておく方が、うま味成分のグアニル酸が多く引き出せるといわれています。冷蔵庫に入れて、ひと晩、或いは丸一日(24時間)、冷水につけてから加熱料理に用いると、干ししいたけのうま味成分の量が増えます。選び方のポイントは、形が整い、笠の裏側が薄茶色に焼けてないアイボリー系か淡い黄色系のものが、質がよいといわれています。

冬菇(どんこ)

冬の寒い時期に時間をかけて育てられたしいたけで、肉厚で身がしまり、うま味が詰まっていす。笠が開ききらないつぼみのうちに収穫され、笠の形がこんもりと丸く、ふちが巻き込まれています。

花冬菇

笠の部分が白く割れている冬菇を花冬菇といいます。なかでも、天日で乾かされた「天白花冬菇」と、笠の部分に花模様のような美しい割目の入っている「茶花冬菇」は、最高級品といわれます。

大つぶし

直径6~9cmもある大きな冬菇です。肉も厚く身がしまっており、高級中華料理などにも使われます。

香菇(こうこ)

冬菇と香信の中間の干ししいたけで、笠は冬菇よりもやや大ぶりです。肉厚香信ともいわれています。

香信(こうしん)

笠が7~8分程開いてから収穫したもので、笠が平らに開いており、冬菇より肉の薄い干ししいたけです。

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